知らない間に人をきずつけているかも
12月10日は世界人権デーです。
相手が大人しいからと、自分のことばかり優先して行動していないでしょうか。
また嫌なことはイヤだと言わないと相手には伝わりませんよね。
気づかないまま周りの友達を傷つけた事はないでしょうか。
幼稚園で絵本「ダメ!」を読んできました。
くすのき しげのり原作
表紙に描かれた、口の端からペロっと舌を出して、いたずらっぽく子リスを見下ろしているくまくんと、そのくまくんを不安そうにみつめる子リス。
これだけで、ふたりの関係性が想像できます。
いもとようこ さんの、ほのぼのとした絵と、くすのき しげのりさんの関西弁で喋るキャラクターがミスマッチで、一瞬、戸惑ってしまいますが、自分が関西人だからなのか、特に違和感なく読み進められます。
でも、ネットでは「関西弁がマネにくい」等々のレビューが散見されます。
しかしながら関西弁らしく読むより、身体が大きく悪気なく子リスと接している、くまくんの無邪気さがその人を傷つける事があると言うことを気づかせたいものです。
そこで、苦手な関西弁で読み聞かせるより、一般的な共通語を使って読んだほうが読み手も聞き手もストレスにならないのではと思い、極端な関西弁の部分を共通語に翻訳してみました。
くすのき しげのりさん、ごめんなさい。
最初は3ページ
二人の前にプリンが並べて置いてある
「くまくんは あっというまに じぶんの プリンを たべてしもた」
次、5ページ
くまくんは、あっという間に自分の分をたべ。りすくんのプリンに手をのばす。
「くまくんは そういって、ぼくの プリンを たべてしもたんや」
「だいすきな だいすきな プリンやから、」
「ゆっくり たべようと おもてたのに」
「くまくんが たべてしもた」
「『ダメ!』って よう いわんかった」
次、9ページ
寝床についても眠りにつけない子リス
「でも、つきとばされたら かなわんし」
かなわんし→いやだし(困るし)or いやだし(嫌だし)
「おおごえ だされても かなわん」
「けど、いわんかったら、くまくんは しらんままや」
「ずっと このままや」
「もっと くやしいことが あるかもしれへん」
次、11ページ
りすくんが急ぎ足で歩いている
「そうや、くまくんが きげんの いい ときに いおう」
「やさしく はなしかけたら、くまくんも おこらんと、きいてくれるはずや」
「そのときや!」
次、12ページ
くまくんが声をかけ、驚くりすくん
「なんや、げんきないなあ」
次、14ページ
りすくんが勇気をだして打ち明ける
「なんや?」
「あのな、あのな」
「きのう ぼくの プリン たべたやろ」
次、16ページ
りすくんは大好きなプリンをくまくんが食べたことをあやまってほしいと伝えた。
「りすくんが たべるの おそいから、てつだってやったんや」
「だいすきな プリンやから」
「ゆっくり たべようと おもってたんや」
「そんなもん、しらん!『ダメ!』って いわんかったし」
「ぼくは いややったんや くまくん あやまって!!」
次、19ページ
仲直りした、くまくんとりすくん
「けど、くまくんも いちご、だいすきやんか!」
無理して関西弁で読もうとするより、こうやって全体に共通語で話しやすくしたほうが、精神衛生上よろしいかと。
私は、お話の内容を変えなければ、各地方の方言で読み聞かせするのも素敵だと思っています。
地元の言葉で聞くほうが、子供たちの心にも響くと思います。
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